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災難は,英語では disaster.
これは dis + aster で,aster は星のことなので,星が見えなくなること,が災難.


ドイツ語では,das Unglueck.
das Glueck のシンプルな反対語.
運がないこと.英語でいうUnluckのようなもの.
日本語の運,不運に近いイメージ.

或いは,die Katastrophe.
カタストロフ.英語でいう catastrophe.
これはギリシャ語の「反転」という意味合いから来ている言葉らしい.
日本語で言えば,全部がひっくり返る,天変地異,的なイメージ.
案外日常でもよく使われる言葉です.

因みに,幸運には das Geschick というのもあります.
これは ge + schick で,粋である状態の総体,といった感じ.



フランス語では
la me'saventure, l'accident, la malchance, le malheur
aventure はイベント,驚きの出来事.
面白いのは,運や出来事自体にはいい悪いの判断はあまり含まれていなくて,
悪い,という接頭辞で否定すること.


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発見するは
英語では,discover,フランス語では decouvrir
どちらも,覆いをはがす,というニュアンス.

それに対してドイツ語は eindecken で,
ein + decken (覆い) 覆いの中に入るニュアンスです.

発見する,という日本語は
見つけた瞬間の状態を表しています.


因みに,時々セットにして話される 発明する,という言葉.
日本語は,何かがぱっとわかるようになる,という
やはり発明した瞬間の状態を表しています.

英語やフランス語は invent, inventer
in + vent で,上に行く,というニュアンス.
自ら動いて獲得するイメージに近い気がします.

ドイツ語では erfinden
er + finden で,ぱっと見付ける,という感じ.
日本語に近い気がします.






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かつてダイアログ・イン・ザ・ダークというイベントに東京で参加したことがあります.
真の暗闇で人間の知覚はどのようになるかを体験するイベントです.
このイベントの主催本部はハンブルグにあります.

Dialog im Dunkeln


フランクフルトでも常設での展示が行われています.

Dialogmuseum 
Hanauer Landstraße 145
60314 Frankfurt am Main

以下の番号で事前電話予約が必要です.
069-90-43-21-44

#余談ですが,ネット予約というシステムが殆どないのがドイツらしいなと思います.
#日本だったらどこの日がまだ空いているかネットで見られるようになっていて,
#勝手にネット上で予約できるようになっていたのですが.
#ドイツ人はメールよりも電話が好きです.

言葉もままならず,視覚からの類推もできない状態でどのように世界を感じるのか,
少し興味深くも思いますが,おそろしくもありますね.


さらにこれらの類似展示として,Dialogue in Silence (Dialog im Stillen) という展示が,
Museum fuer Kommunikation Frankfurt にて,2010.10.6-2011.02.27の期間に開かれます.

Dialog im Stillen

こちらは全くの静寂の中で知覚がどのようになるかを実験する試みなのでしょう.
可能であれば行ってみたいと思います.




5月にオープンしたCentre Pompidou Metzを見に行きました.


まずは建築のことを.

設計者はShigeru Ban + Jean de Gastines.
全体としては,4層の美術館です.延床面積10700m2,展示空間は5000m2.
7mx15mx80mのコンクリートの細長い展示空間が宙に交差しながら浮かび,
その全体を集成材グリッドシェル+膜の局面屋根が蔽っています.
(一部穴を開けて飛び出しています.)
最高高さ77m.

屋根の平面形状は六角形ですが,起伏している為あまりそれを感じさせません.
それぞれの辺に平行に(つまり3方向に)集成材のグリッドシェルがかけられています.
約440mmx約140mmの集成材を2枚300mm程度の間隔をあけて組み合わせ,
それらを高さ方向にずらして配置することでグリッドを形成しています.
この間隔を保つためにスペーサーが噛まされ,交差部はボルトで回転を許容しながら留められています.
これらの梁はCNCでカットしてパーツを作り,総足場の上現場で組み合わせたそうで,
準備に10か月,組み上げるのに4か月かかったそうです.

屋根の仕上げはPTFE膜(太陽工業)です.透過率は15%.総面積8000m2.
今回は見られませんでしたが,夜景でグリッドシェルが膜に浮かぶ様子は写真を見るときれいなようです.


建物の第一印象は,仮設のパビリオンみたいだな,ということでした.
実際に見る前はもっと繊細なメンバーでやわらかにつくられているのかとイメージしていたのですが,
案外がっしりしたメンバーでピッチも思っていたより大きいものでした.
勿論細かくすればするほど手数も増えるでしょうし,
形状が力学的に決められたものではないので,あまり柔らかいと形が保てないのかもしれません.
力学的にいい形だけがいいということでもないでしょうので,諸々の兼合いの問題かとは思います.
集成材の節が目立ったのとボルトの処理を割と荒く見せていたのと
屋根の膜仕上げ及び壁材に用いているポリ塩化ビニルの質感で
より仮設感が高まっているようにも思えます.
ポンピドゥだけに展示内容が既に世に広く知られている名作揃いだったのですが,
アジア美術館のようなものだったらもっとマッチして感じられたのかもしれません.
ただ,パリのポンピドゥセンターだって最初はこんな仮説的な,と言われただろうことを想像すれば,
まさにポンピドゥらしい実験精神,と言えるのかもしれません.

また,屋根を除いた建物の構成が,動線などは違いますが,先日観たVitraHausに近いのにも驚きました.
寡聞の所為かも知れませんが,美術館というと,ひらたい大空間を区切って使うことが多く,
最近では一作品一空間,という贅沢なものもたまに見られますが,
細長い空間や,縦に積み重なるものは,(SANAAのNew Museumはまさにそうですが)
案外珍しいのではないでしょうか.
VitraHausはショウルームなのですが,見たばかりだったということもあって,
屋根との対比の為に,展示空間の外壁は白じゃない色でも面白かったかもしれないな,と.


PompidouMetz02.jpg  


PompidouMetz04.jpg


PompidouMetz05.jpg


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次に展示のこと.

中ではChefs-D'Oeuvre という展覧会が開催中でした.
この言葉の意味が「傑作」であるということすらわかっていなかったのと
殆どの展示にはフランス語中心の解説しかついていないので,
キュレーターの方々の意図などは考えずに作品だけ楽しむことにしました.
しかし,展示の内容の充実度は流石ポンピドゥと言わせるものでした.
デュシャンの自転車の車輪(Rout de Byciclette)や,
長いことポスターを張っていたマチスの赤い部屋の本物が造作なく展示されていた時には眼を疑いましたが,
マンレイもブランクーシもイヴクラインもピカソもルオーも,惜しみなく展示されています.
圧巻.4層分あるだけあって,かなりのボリュームです.
これで7ユーロは安すぎます.

また面白かったのは展示の仕方で,
2階の展示室の途中に穴の開いた壁が立てられており,
壁の穴を通して作品のデータを知ることができるようになっていました.
こうすると,暗い場所で映像も流せるし,作品自体を煩雑なデータが邪魔することもありません.

建築関係の展示は,フランスの20世紀以降の美術館特集でした.
ゲイリーはバーゼルのノヴァルティスキャンパスに似た形状のものをフランスにも計画しているようです.
フランスにも沢山の美術館があり,また計画されているのですね.


PompidouMetz06.jpg



ところで,ルーブル美術館の別館をSANAAが担当し,ポンピドゥ美術館の別館を坂茂が担当する,というのは,誇らしいことに思います.



さらにもう一冊,辻邦生の作品を.

19世紀末のヨーロッパの都市と宝石とをモチーフに,
辻邦生が美のありようについて描いた6つの短編集です.

パリ,翠玉(エメラルド)
ウィーン,紫水晶
グラスゴウ,紅玉(ルビー)
ペテルブルグ,月長石(ムーンストーン)
ミラノ,ダイヤモンド
どこかにある都市,真珠

この小説自体が一つの宝石のような.


魅せられて,ペリドットを身につけたり,簡単なアクセサリを作ってみたりしました.



Basel近郊のWeil am RheinにあるVitra Campus の入口に,
Herzog & de Meuron によるVitraHausがオープンしました.
これは,Vitra社の家具を売る店舗です.

五角形の家型をモチーフに,トンネル状の家型を積み重ねることによって,建物を形成しています.
特に,トンネル同士の重なる部分や隙間が,面白い空間になっています.

躯体は現場打ちコンクリートですが,
壁と屋根の色は黒で統一されており,
屋根は金属板,壁は手の跡の残る左官のような仕上げになっています.

真っ白な室内から家型に区切られて周囲の緑が見える様も素敵です.
Vitraという世界的家具メーカーの展示場が,家の形をモチーフとして積み重なっている,
しかもそれが,色の統一やぬるっとしたトンネル状の形状によって,抽象的に昇華されている
というコンセプトも面白いですし,
中の家具も見ているだけで楽しいので,オススメの場所です.





VitraHaus.jpg


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