イタリアからヨーロッパにコロナウィルスが流入し,そこからヨーロッパ中に広まりました.
今や,イタリアは中国に次ぐ感染国で,スペイン,フランスでもかなり広まっています.ドイツも本日急増しました.
各国政府はイギリス以外は封じ込め作戦に出ています.イタリアはロックダウンし,一昨日から商業活動を全停止しました.スペインでは本日から外出禁止令.フランス,チェコ,ベルギーでは今日・明日から生活必需品以外のパブリック施設(レストランや映画館,美術館など)は全部閉鎖.オランダは入国制限.学校を閉鎖している国はたくさんあります.スイスも来週から学校や保育園が閉まることになりました.これは,日本と同様,共働きの家庭に影響を与えます.
驚くのは,各国政府の検討することになってから対応および実施までが極めて短時間であることです.例えばフランスは,今日の夜にパブリック施設閉鎖が発表され,実施は今日の深夜0時からです.国民は準備ができなくて大変な筈.スイスでも,今はそういう発表は出ていませんが,すぐに同じようになると予想し,買占めが始まりました.(ところで買占めはハムスター買いと言います.かわいいですね.)
ここのところずっと考えているのは,何故イタリアをはじめヨーロッパではこんなに感染拡大が早いのか,ということです.感染の始まった武漢はともかく,日本や台湾,シンガポールなどは感染が始まったのはヨーロッパより数週間早かったのですが,今やスイスの感染者数は日本の感染者数よりもずっと多くなっています.日本では検査ができないから潜在的な感染者はもっといるという話はありますが,死者数を見ても,日本での死者の割合はイタリア・フランス・スペインでの割合よりも遥かに低くなっています.
何故ヨーロッパでの感染はアジアに比べて早いのかの仮説.
・ヨーロッパでは挨拶の仕方が握手,ハグ,キスなど接触型である
これは今はみなしないようにしています.張り紙も張り出されています.
・ヨーロッパにマスクをする文化がない
感染を防ぐのには効果がないと言われていますが,他人に飛沫感染をさせない効果はある筈です.症状がなくても自分が潜在的に感染しているかもしれない,ということを考えれば,マスクをしても変な目で見られないというのは感染拡大を防ぐ効果があるかと思います.ヨーロッパでの路上では今でもマスクをしている人は全く見かけません.
・衛生観念が低い
いまだにスーパーで,熱を入れず袋に入ってもいない食べ物を売っていますが,その売り子さんは手は消毒していますが,マスクをしていません.飛沫感染って言葉,知らないの?
それ以外でも,トイレのあとに手を洗わなかったり,使った雑巾を洗わなかったり,食器に触れる布巾で床を拭いたり,靴のまま家に入ったり,バスタブがなくシャワーも毎日入らない人がいたり,全体的に衛生観念は低いと言わざるを得ません.自分は潔癖でも清潔にうるさいほうでも全くありませんが,それでも気になるレベルです.
・ヨーロッパの日常的な食べ物はサンドイッチやピザなど手で食べるものが多い
上記の理由で,裸で売っているサンドイッチや火の通らないサラダは,個人的には今の時期は外では避けていますが,そうなるとランチに食べられるものがとても限られてきます.そもそも手づかみで食べる食べ物が多いというのも,感染しやすさをあげている気がします.因みに同僚は今でも気にせず普通に食べている模様.
・アジアはヨーロッパよりも監視的な文化である.
個人主義のヨーロッパに比べるとアジア文化は他者の目を気にするところがあるように思います.感染源になって白い目で見られることを恐れる気持ちが高いため,感染を防ぐ行動にでやすい.
ヨーロッパはアジアに学ぶべきことがある筈です.これから日本の感染者・死者も指数級数的に増えるという人もいますが,今までの経緯を見ているとその予想には根拠がないように思います.
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