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担当物件がAusschreibungをもってBauprojektのフェイズを終え,
Ausfuehlungというフェイズに入りました.

Ausschreibungというのは,端的に言って入札のこと,コストはここで概ね決まります.
Ausfuehlungというのは実施設計のこと,実施図面(施工図面)を仕上げるところまでです.

入札の後に実施設計の期間があるのは,日本の感覚から言うとおかしな感じなのですが,
スイスでは日本のような確認申請制度がなく,入札後にも設計の変更が多々なされます.
但し,ここでコストが上がってしまうと設計側の責任を問われることになるので,
Ausschreibungの際には,取敢えず大目に数量を見ること,但し見過ぎないこと,を心がけます.

Ausschreibungと施工図提出はプロジェクトの中の仕事量としては双璧のようです.

Ausschreibungにて構造設計者が提出しなければならないものは,
  設計の考え方を説明した文書 
  数量リスト(使用する細かな製品の種類や数量まで含む分厚い資料)
  一般図
  代表的な部分の施工図,代表的な部分のディテール,
  鉄骨詳細は代表的なもの全て
です.勿論細かな寸法などは何れにせよ後に変更がかかるので問題になりませんが,
兎に角,数えもらしがないこと,数量が少なめに入ってしまわないこと,に最新の注意を払います.


この後のコスト増に関しては,
それが例え意匠設計者による変更に付随するコスト増だとしても,責任を問われたりするようです.
つまり,Ausschreibung後は,構造コストの上がるような変更に関しては,抵抗せざるを得ない,ということです.
勿論,設計チームの一員としての構造設計者の気持ちとしては,
よりよいものになるならば,例え構造のコストが多少上がっても,それはそれでやるべきなのでは,
とか思いたくもなる訳ですが,
それは対施主や社会的には通用しないということです.

逆に言えば,意匠設計者はその辺りを見込んで,他のコストが上がるような変更については
Ausschreibung前に通知しておかないと,その後は話が通りづらくなる,ということです.

取敢えず,初めてのAusschreibungを通過して,どういうものなのかはなんとなく掴めた気はします.

まだまだこのプロジェクトの波乱は続くようですが,
最後にみんなで笑って竣工や10年後や50年後を迎えられるよう,
日々努力していきたいと思っております.




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