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実質的な作業として構造エンジニアが行うのは、概ね

建築家等と話し合いながら、コンセプトを作る
計算して各部位の寸法を決める
建設手順を考慮してディテールを検討する
スケッチ等にして、ドラフトマンに指示を出す
ドラフトマンの描いた図面をチェックする
現場で、図面通りにできているか監督する
現場の職人さんに、意図を説明したりする

のような感じです。
勿論その都度、
建築家等と話し合って、フィードバックを反映する(イタレーション)
という作業も入ります。

多くの場合、実際に図面を描いてくれるのはエンジニアではなくドラフトマンの方です。
因みに、建築家の事務所では、図面は大抵建築家の方々が描いています。
それもあって、エンジニアの人数に対して、
同じ建物に関わる建築家の人数はかなり多くなります。
さらに、大抵の場合、エンジニアは幾つかのプロジェクトを同時並行で担当しているので、
実質的にその差はもっと大きくなります。
ですので、建築家の方が、何かを突然依頼してきて
明日までに返答を、と言われたりすると結構困ります。


それはさておき。

鉄筋コンクリート構造の建物について、スイスでは
構造設計者が会社として描く図面は、型枠図と鉄筋図です。
鉄骨造や木造の場合は、予めある部材を加工するので、
製作会社が製作図を描き、それをこちらがチェックするという形になり、
全ての指示を図面(と発注書)で出さなければならない鉄筋コンクリート造の場合とはかなり違っています。

各図面に何を描くべきか、というのが段々わかってきました。
スイスの鉄筋コンクリートを建設する会社は、それなりに優秀ではありますが、
やはり多くの職人さん(しかも多くはドイツ語を理解しない)にわかってもらうには
かなりの気を遣わないとならないようです。
少しでも複雑な部位に関しては、全てディテールが要求される感じ。
しかしながら、こちらもドラフトマンに無限の時間をかけてもらう訳にも行きません。
間違ってはいないけれど、親切でもない図面を上げるだけで、こちら側も精一杯だったりして、
現場に行くと、案の定間違っていたりする訳です。
現場に行く度に予想通りの間違いがあるので、結構へとへとになります。

しかし、図面はラブレターのようなもの。
今は環境が変わったので、提出図面を自分で描かなくなりましたが、
日本で働いていた時には、自分で全部描かなくてはならなかったりして
その時に感じていたことです。
結局、何をどう頑張って考えたところで、
我々は自分でものを作る訳ではなく、
職人さんたちにお願いしてやってもらわなければなりません。
エネルギーを注ぎ込んだかわいい自分のプロジェクトをすんなりと作ってもらう為には
どうぞこの子をよろしくお願いいたします、という気持ちを込めて、
なるべく、わかりやすく、なるべく、やる気の出る、相手の気持ちに立った表現をするしか
我々にできることはありません。

そういう気持ちが、ドラフトマンの方にも共有してもらえるといいのだけれど。

でもまずは、他人に期待しても仕方ないので、
複雑な箇所に関して、かなり詳細にカラフルなスケッチを作ってみました。
これで、少しでも間違いなく施工が進むといいのですが。




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