友人が来た.彼女はスペイン語が話せるので,一気に心強い.
とは言え彼女にとっても初めての街ということで,ゆっくり目にスタートしつつ,ホテルの周りのミラフローレスをまずは少し歩く.今日は,観光地ということになっている旧市街へ行ってみる.
私のたっての願いで,旧市街へはメトロポリターノなる公共交通機関を使う.Ricardo Palma からJiron de la Unionまで.メトロポリターノは専用道路つきバスである.私は旅先では,なるべくそこに住む人たちと近い行動をしたい.何故か二人で一枚のチケットをまわし使い.リマは車が多く,渋滞が多い中で,メトロポリターノはさくさくと着く.ただし,日本のラッシュ並みに超満員である.超満員ではあるが,スリの雰囲気は無い.何となく慣れてきて,安心な気がする,と言うと,気を緩めるなと叱られる.駅名にはカナダとかメキシコとかある.
ミラフローレスと旧市街は結構遠い.リマは大きな町なんである.
旧市街は,確かにヨーロッパ的街並みである.が,ヨーロッパから来た人にとっては,さして目新しくもない.王宮で衛兵の交代をやっていたのでしばし眺める.コンドルは飛んでいくを演奏している.アルマス広場には,サンクリストバルの丘行きのツアーの客引きが沢山いると聞いていたのだが,一人もいない.衛兵を暫く見てから,取敢えず方針を決めるため日陰に座ろうということで大聖堂に行くと,入場料を取る大聖堂だった.しかもそれ程見る価値は無かった.しかしレストランなど目星をつける.
まずは友人のナスカツアーの予約の為,観光案内所へ行く.観光案内所ではツアーの案内はやっていないので,ツアー会社に行くように言われる.序でにサンクリストバルの丘ツアーについて聞くと,最近交通事故があって死傷者が出た為,ツアーは中止になっているのだそうだ.とても残念.しかし友人はかなり安心したようである.アルマス広場に面した建物に入っているツアー会社に赴く.友人はぺらぺらとスペイン語で何やら尋ねたり交渉したりしているようだ.すごい.日本より安く予約できたとのことで,喜んでいた.
取敢えずお昼ごはんかということで,TANTAというレストランに.寿司に見立てた料理や,豆チャーハンなどを食べる.一皿が多い.
共通の友人の近況など話し込んでしまい,見学の一つもしようということになって,サンフランシスコ修道院へ行く.10SOL.既に本日最後の英語ツアーにぎりぎりで滑り込む.背の小さくて,スペイン語訛りのかわいい英語を話すガイドさんが一生懸命案内してくれる.ケベックから来た女性二人と一緒に聞く.古い図書館.400年前の書物.修道士の生活を思う.幾何学模様のタイルや木組みは,イスラムの影響だとか.古いものも新しいものも,比較的ラフに見せてくれる.一つ一つ引っかかってしまうが,ガイドさんがフォロミーとしきりに言う.この修道院にはカタコンベがある.実はカタコンベを観るのは初めてである.身分の高い人たちがここに納められているそうだが,大量の骨が部位別に整理整頓され,頭蓋骨も装飾かのようにきれいに並べられている.作り物ではなく本物の頭蓋骨が,ガラスの隔てもなくずらっと目の前に並んでいる.結構すさまじい光景である.
地下から出てツアーを終えると,既に辺りは薄暗くなり始めている.せめてサンクリストバルの丘を遠くから眺めようということで,川岸まで行ってみる.スラム街だと言われている中腹の家々が光り始めてきれいだ.観光地が閉まる頃合で,沢山の人たちが橋を渡って川向こうに帰ろうとしている.その大きな流れが妙に印象的である.流れの中に,先程のかわいらしいガイドさんがいて,向こうから挨拶してくれる
旧市街はこれくらいにして,メトロポリターノに乗ってミラフローレスまで帰る.帰りの駅がわからなくて少し慌てるが,親切な人が教えてくれる.結局,旧市街はヨーロッパを見慣れている目からすると,何を見ていいのかよくわからなかった.メトロポリターノは渋滞がなくて便利.
夕飯は,Panchitaへ.5月2日通り沿いには,美味しそうな店が多いが,ここは料理人ガストン・アクリオのアンティクーチョに特化したお店.予約なしで入れてラッキー.店内もお洒落だし,ここはこれまでに食べた中で一番美味しい.また来てもいいと思えるくらい.
ホテルまで歩いて帰って就寝.明日はクスコへの移動である.
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