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ドイツのプロジェクトが進行中です.
現在,入札書類作成中.

日本から見ると,ドイツもスイスも同じように感じますが,
実際には色々違いがあります.


今感じている一番の違いは,ドイツでは計算書が必要なこと.
計算書を作って,それをプルーフエンジニアがチェックして承認印を押します.
それがないと,建設許可が下りません.
スケジュールとしては,入札書類作成段階付近で,計算書を提出します.
計算書が承認される,ということは,それより以降は変更が難しくなる,ということで,
更には,その段階で,詳細設計がそこそこ終わっていないとならないということです.

こういうことは,日本の設計者にとっては当然のようにも思えます.
日本では,確認申請という制度があり,
確認申請図面と計算書に対して,公的機関からの承認が必要です.
確認申請までに,少なくとも構造は決定していなくてはならず,
それ以降の変更は,全て,変更申請を用意して承認されなくてはなりません.

しかし,スイスでは,計算書を作成する必要がなく,設計者が責任を負います.
スイスの設計者はそれに慣れている為,
早い段階で全てを決めておかなければならない,ということに慣れていません.
更には,計算書を作成すること自体が,作業であり,
時間がかかるということにも認識が薄いです.

ドイツと日本との違いとしては,
日本では入札書類としては,基本的に図面がしっかりしていれば十分で,
数量は入札する側が拾うのに対して,
ドイツでは,設計者側が全てを網羅した文書による書類を準備しなければなりません.
そこで見落としがあると,現場に入ってから施工者から追加コストを請求されます.
この書類作成というのが,なかなか大変です.
日本ではゼネコンさんや工務店さんがやってくれている作業で,
日本よりも設計者の責任範囲が大きいということです.


どの制度にもいい点,悪い点があると言えます.
スイスのように設計をフィックスする必要がない制度では,
最後まで設計改良を重ねることが可能です.
計算書を作成するという作業に対するコストもありません.

一方で,後から第三者が正確に設計者の考えを追うことはできませんし,
実際的な問題としては,計算書を作成する段階で気が付く点というのもあります.


大切なのは,プロジェクトの国でのやり方を知っておくことです.
それぞれの国の人は自分の国のやり方しか知らないことが多く,
他の国の人に説明することが困難で,
しばしば問題が起こっているようです.


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