忍者ブログ

<< 04  2025/05  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    06 >>

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

建築物を建てる手順というのは,国によって違います.
建設自体の手順も文化によって異なりますが,ここでは設計のプロセスについて話します.

ドイツとスイスとは同じドイツ語圏のお隣の国ですが,システムが全く違っています.

ドイツでは,分厚い構造計算書(フォーマットは概ね決まっている)が必要で,
しかも必ずPrufingenieurという第三者がチェックします.
このPrufingenieurになるには,資格が必要です.
彼らが理解してくれないものは,建てることができませんし,
たまに,彼らのほうから設計を変更するように指示があったりします.
つまり,高度な設計は,(特に無名の場合?)なかなか実現しづらい可能性も含んでいます.
ドイツでは実現できた建物がないので,これより先のことは今はまだわかりません.


一方スイスでは,一切構造計算に関するチェックはなく,ただサイン一発,
全ての責任を構造設計者が負う,というだけのシステムです.
計算書を作る必要もありません.
建築家になるにも,構造設計者になるにも,資格は要りませんし,
そもそも,構造計算に関する「法規」もなく「規準」があるだけです.

これはこれで,クリアなシステムですし,自分の責任で挑戦的なことも,でき得ます.

ただ,個人的には,やはり構造計算書は作った方がいいのでは,と思っています.
人間ですから(特に自分はですが)間違えもしますし,
計算書を作っている段階で気づくこともあります.
無駄にフォーマットを揃えたり,プログラムの全出力をしたりすることに意味は見出せませんが,
時間が経って,忘れてしまうことも多いですし,
計算書を作るという一見事務的なプロセスには,意味があるように思います.
雇われの身ですと,勝手に時間を使って計算書を作ることに問題がない訳ではないのですが.


因みに日本では,姉歯事件(構造計算書偽造事件)の煽りで
計算書のフォーマット化など随分厳しくなった筈です.
これ自体は私は大いに疑問を持っていて,ずるをする人を見逃さないことが目的になっていますが,
そもそも計算書というのは,ミスを防ぐ自分の為,という以外の本来の目的は,
第三者に何を考慮して設計を行ったかをわかりやすく示す為のものの筈です.
結局,責任の所在がはっきりしていない(国なのか設計者なのか審査機関なのか)ため,
適当にお茶を濁しているだけのように思えます.



PR

 Post your Comment
Name
Title
E-mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 calender
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
 track back
 search in this blog
Script:Ninja Blog  Design by: タイムカプセル
忍者ブログ [PR]