忍者ブログ

<< 06  2025/07  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    08 >>

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

年末年始は一時帰国などをしておりまして,あっという間に時は過ぎます.

帰国便はANA,出国便はLufthansaの機体だったのですが,
圧倒的にLufthansaの方が良くて驚きました.
モニタの画質も随分よくなってきています.


さて,仕事のメモ.
鉄骨の設計が大まかにできるようになりました.
アンカーや接合部の設計は,個々に詰める必要がありますが.
塑性域を許容しているのが,日本との一番の違いかと思われます.

水平剛性に関しての意識は極めて低く,鉛直荷重の軸力のみで行う設計もよくあるようです.
地震時の水平変形など考えもしない模様.

それから,細さ・薄さの感覚がまったく違います.
屋根を薄くしたい,と言いながら,梁の上に梁を載せる設計にする,とはどういうことなのか,
そういうあたりがよく掴めませんが,
日本のような究極を狙うものばかりがよいのではないのかもしれない,
と言い聞かせながら,取敢えずはやってみることにしています.

最終的な物理現象がそう大きく変わる,ということはないでしょうけれど,
実務のドキュメントを作れなければ,結局は仕事になりませんから,
きちんと武器を揃えて行きたいところです.


一方で,日本で同業の人と話していて,忘れかけていたのを思い出させてもらったのですが,
結局何をやりたいのか,という目標を,明確にしておかなければ.
何も,実務ができるようになることが最終目標ではなく,「日本流の設計」を世界で実現することが目標な訳で,
「日本流」と言ってもつまるところは「自分流」,自分流を一歩一歩固めていくことを疎かにしてはなりません.

それと同時に,パートナー探しも気長に始めようかと思います.



本年は,真面目に真面目にやっていこうと思っております.




PR

こちらに来て初めての,建築家事務所での打合せ.

日本のようにその場で電卓を叩いて全ての断面を決定する
というようなことはしないようです.

言葉が100%はわからないので歯痒く,
もうちょっとずばっとしたことを掴みたかったのは否めませんが,
直にお会いすると,どういう方向がすきな方なのかが肌で感じられて
双方の理解がしやすくなります.

ベルンにある事務所だったのですが,
ベルンはパウルクレー美術館とクマ公園とリベスキンドしか見てない
と言ったら,笑われました.
こちらでは,構造設計者が建築に興味を持っているというのは
そう頻繁にあることではないようなのです.

印象的だったのは,柱はこれくらい細くできます,と伝えたら,
それは恐い感じがしてよくないからもう少し太くしよう
と建築家の方がおっしゃったことです.
なんというか,大人だな,と思わされました.


因みに,行く途中でダイティンゲンのガソリンスタンドの脇を通りました.
一人で興奮してしまいました.



仕事のこと.
幾つかプロジェクトに参加させてもらって得た印象など.

こちらはVorprojektと呼ばれる,設計の前段階がとても長くあります.
この時にある程度の量を抑えるのですが,
後で変更があってもいいように,多め,多めの設計をします.
日本ではこのような段階が殆どなく,最初から割ときっちりと抑えるのが習慣なので,
私はまだ不慣れです.
後で設計がスリムになっていくのかは,注意して見守っていきたい所です.

コンクリートの設計に関しては,やはり経験の数が違うのでしょうか,
日本でやるよりも繊細な設計を行っている印象です.
プレストレスがずっと一般的に使われていますし,
ひび割れに応じて剛性を考える,ということも行うようです.
コンクリートの圧縮にとても敏感なのも異なる部分です.

鉄骨の設計に関してはまだまだ勉強中ですが,
法規上は塑性域を使った設計も許されているようです.
実際にはあまり行われていないようですが.

設計法に関しては,
荷重は積載荷重が多めである(地震荷重による担保がない分なのか)のに加え
流石スイス,雪荷重がすさまじいです.平米1トンとか.
更に,鉛直荷重が支配的であることが多い為,
セカンドオーダーセオリーと呼ばれる設計法が通常使われています.
これは,荷重によって起きた変形による付加分を考慮する設計法です.
日本では何れにせよ予測のはっきりとはつかない地震力がかなり支配的である為か,
そこまでの考慮はせずに設計を行います.


理論だけでなくやはり工学ですので,
色々と細かい違いに苦戦しながらも,
なるべく早く慣れることができるよう,日々精進でございます.




 calender
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
 track back
 search in this blog
Script:Ninja Blog  Design by: タイムカプセル
忍者ブログ [PR]