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職業の名前というのはどうやってつくものだろうか.
有名なところでは,コピーライタという職業は糸井重里が名乗るまでなかったということだが,
同じ名前で呼ばれていても内容は社会によって異なる.

それは,構造設計者,や,プロジェクトチーフ,といったものについても当てはまる.

日本の小さな事務所での構造設計者の仕事は
・構造コンセプトを作る
・構造計算をする
・構造ディテールを考える
・基本図・標準ディテールを図面にする
・構造計算書を作成する
・公の書類を作成する
である.

スイスに於いては
・構造コンセプトを作る
・構造計算をする
・構造ディテールを考える
・すべての構造部材,ディテールを図面にする(但しCADオペレータが作業は行う)
・構造数量を拾う
だそうである.
日本に於いては施工図面をひいたり数量を拾うのは施工業者の仕事であり,
構造設計者が関わるのは,概算見積もりまでである.
また,スイスに於いては構造計算書という書類作成業務はない.
勿論自分たちの中でまとめておく必要おはあるが,
それを公の書類としてまとめるのは,案外時間のかかる作業であり,
それをする必要はないことになっている.
例えば,ざっくりとして計算で済ませても大丈夫と思われる部分について,
他の誰かに釈明する必要がないということでもある.

因みにドイツに於いては,完全なピアチェック制度になっているため,
Pruefingenieureと呼ばれるチェック構造家のために
構造計算書をしっかりと作る必要がある.





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仕事の内容ではなく契約形態として,大きく違う点は,
日本では構造設計者は意匠設計者から受注しますが,ヨーロッパでは施主と直接契約であるという点.

誰と契約していても,結局はチームとしていい仕事をすればいいのでは,
というのはやはり建前の話で,
自分にお金を払ってくれる人に,仕事をしていることをアピールしたくなるもので,
畢竟,建築家の意向にとことん付き合うよりは,
自分たちのできる範囲のことを器用にまとめていく方向に納まりがちです.

逆に言えば,とことんサービス,精神が,日本人の強みとも言えますが.



その上,日本の大学では,意匠設計者と設備設計者と構造設計者が,同じ授業を受けています.
土木と分かれているせいでもあり,構造解析の授業など重なる部分も多いため
無駄が多い,とする向きもありますが,
こと建築の設計に絞って考えれば,
互いが互いの職能についてのぼんやりとした認識があり,
お互いの仕事に敬意を払える関係を作りやすい,
という意味で,利点もあります.
構造がわかっていない建築家,建築がわかっていない構造家は,基本的によろしくない,
という共通認識がある,というのは素晴らしいことです.
建築家はアーティストなんだから,構造のことはわかっていなくて当然,
という一見ドライな職能分離は,何かを作り上げる上では
責任の所在が明らかになるばかりで,ちっともできあがるものに貢献しません.


職能の境界線や契約(日本では少し前まで契約書がないこともしばしばでした.今も?)の状態が曖昧なまま物事を進めるのは,
責任の所在が不明で何かがあった時に問題となる訳ですが,
その「何かがあった時」の為にお金をかけなんらかのよさを妥協していく
というのもいかがなものなんでしょうか.





コンクリートの設計をする時に,しばしば
床だけで設計して,柱や壁は鉛直のみを支える設計をします.
これは,実際には柱頭ピンのディテールで床通しの設計なんだそう.
鉛直メインの地域ならでは.
日本ではなかなか見ませんね.

その分,鉛直で曲げがかかる感覚が薄いようで,
たまに実際にそうなってしまうと戸惑ったりもしているようです.


自分のこととしては,前にも書きましたが,
まだプロジェクトの流れが掴めず,急にやることが増えたり,暇になったり,
でコントロールできていない状態です.
どうも,オプションを沢山用意するのも馴染めません.
だめとわかっているものについて詰めて設計を考えるのはどうも気が進まなくて
それよりも,実際に作るものについて時間を考えを裂いた方が
結果的にできるものにプラスになるような気がして.
相手から連絡が来たらできるだけ早く返答を返すのは当たり前だけれど,
多すぎるオプションを作るのと同じくらい,
本当に作るものをしっかり考えるのも大切で,
脊髄反射的に返していいものではないと思います.
そして,一度決めたら,理由のある変更がない限りは変えない.
そうやって一つずつ積み重ねていくのが一番の近道.

そういうことは間違えていないと思うので,
ただ,こちらの流れにも合わせられるように早くなれれば.



少しお手伝いしていたプロジェクトが,VorprojektからBauprojektにフェイズが移りました.

軸自体の位置の変更から,柱の位置と数から,構造形式の変更まで,
なんでもありみたいです.
Vorprojektってなんだったんだろう.

ていうか,最初にきちんとトータルで考えておけば,
こんな二度手間は不要だ,としか思えないのですが....


しかし,この部分を変えていくには,当然建築家の方の意識から変えなくてはなりません.
みんな一度日本に行って勉強してきて欲しい.


仕事メモを別カテゴリーに.
カテゴリーをどんどん細分化してしまうのが,私の悪い癖である.


ともかくも,仕事メモ.

なんとなく,ではあるのだが,
究極にシンプルなものよりも,少し汚れているものの方が,
何かを考えた痕のように見えてこちらの人の好みに合う,のかもしれない.



今日は,とても単純な屋根の設計をしていて,
極めてシンプルなアイディア,
少し工夫をしたアイディア,
更にもう少しトリックを使ったアイディア,
力づくのアイディア
のうちの,どこに落とすかを考えていた.
後に行くほど原則的に物量が増えたり手間やコストもかかるが,
出来上がるもの自体は薄くなる.

そういうことを考えるのは楽しい.

なんとなく,一度考え始めるとどんどん考えてしまってやめるのが難しいので,
ついある程度の結果が出るところまではやってしまう.

最近思うのは,そこで一度寝て,次の日にもう一度考えてから決断する方がいい気がする.
エキセントリックになりすぎないところに落とせる気がする.



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