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本年,初打合せ.
幾何についてと,幾つかの片付けと,伝わっていないことの再説明.
大きなプロジェクトで,人数が増えると,何度も同じことを説明しなくてはならなくなる.
その分,自分の頭の中に保持しておかなければならない情報量も増える.
休みの間に,色んな情報が頭から流れ去ってしまっている.

それでも,にこやかに.
相手には相手の,時間の流れがある.



仕事は,殆どの部分が,交通整理,である.
整理と名の付くものは悉く苦手である.
でも,苦手だとか言っていられない.

まずは自分の頭を整理しないと.



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会う人毎に Gutes Neues で始まるのは気持ちがいい.

まだ少し休暇ボケだけれど,
今年はよりじっくりと,周りに眼を配りながら.
ドイツ語も粛々と.

Tのファサードが付いている.
インフルエンザの余韻の咳が収まらない.

スイスの独立事情などをRから聞く.

年始早々嬉しい知らせが届く.
自分にできることを,最大限,誠実に.

BIMを使ったプロジェクトを担当しているのですが,
諸事情から,今のところ自分ではBIMモデルをいじらないようにしていて,
だから思うのかもしれない事項のメモなど.
(将来BIMを自分で操るようになったら嘲笑うようなことかもしれませんが.)


BIMのいい所は,
ジオメトリを他の設計者と共有しやすいこと.
ジオメトリを変更すると一度に平面と断面が変更されること.
標準的なざっくりとした図面であれば,一度設定をするとそれなりに素早く作り出せること.

BIMのよくない所は,
変更があった場合に,他の設計者に通知する手間を省略しがちになること.
相手にわかりやすく説明する工夫をしなくなること.
データが重たくて操作性が悪いこと.
(現状では)作業できる人間が限られること.


幾何学だけ考えていればいい設計の分野(があるのかはわかりませんが)ならいざ知らず,
構造分野では,BIMモデルをそのまま解析に使うことはまずできません.
というか,構造モデルを想定するところに,人知があるとも言えます.
結局,BIMモデルとは別個に構造解析モデルを作ることになり,
変更は基本的に手作業で反映させることになります.
その為,変更通知が明確でないと,手間が増えてしまいます.


BIMでなければできないような設計,というのができるなら,
面白いかもなあ,と思うのですが,
こういう,データに依存した設計,が一般的になっていくのでしょうか.
手描きの図面からCADに移行した時も,先達は同じようなことを感じたのでしょうか.

まぁ,まずはお友達になるところから,かな.





BIMを使って設計するというのが世界の潮流のようで,
今日は会社でRevitを使ったBIMの軽い紹介がありました.

建築家の方が説明してくれました.

大切なことの一つは,設計チームの中で,それも社内及び社外両方で,
誰がどの段階でどのように仕事を進めるのかを明確に話していかないといけないということ.
世界の誰もBIMを使った設計に慣れていないので,
まだ確立された仕事の方法が決まっていないということです.
逆に言うと,自分で考えてこれからの常識を作っていけるということでもあります.

最初にモデル化する時,特に最初のプロジェクトでは,
もろもろの道具(様々なプロダクトのデータ)が揃っていないので,
極めて大変な労力を要するけれども,
一度モデルができれば,変更は簡単だ,と彼は言っていました.

これに関して,私が感じたのは,
建築家は基本的に所詮幾何をメインに扱っているからそう思うのではないだろうか,ということです.
例えば構造壁を1mずらすとして,或いは壁に空いている設備開口を1m動かすとして,
それが構造にどういう影響を与えるか,というのは,計算し直しなのです.

建築家の方は言います.構造計算まで連続してやってくれるんですよ,と.
しかし,それは,単なる構造解析,しかも弾性範囲の構造解析であって,
その構造解析の結果を読みとって,必要な鉄筋や補強部材を決めるのは手作業だと思われます.
変更は簡単だ,というように捉えていると,検討必要部位を見落としたりしそうです.

正直,S造についてはかなり対応しやすそうですし,
RC造も型枠図までなら比較的簡単に対応できそうです.
しかし,鉄筋図までBIMから作るとすると,
現状では急激に作業量が増えて,結果として効率が悪くなりそうな感触があります.
木造はさらに厳しいでしょう.(材料自体に方向性があって,繊細な検討が必要になるから.)

もう一つ,忘れてはならないのは,
作業量の分担が変わるので,フィーについても設定し直す必要がある,ということです.
社内でのフェーズ毎の配分も基本設計段階に重点が寄ってきます.
また,これまで建築家が行っていたコーディネート業務の代わりに各社がデータ入力を行うということですから,建築家と他の設計者のフィーの配分も変わるべきでしょう.

構造設計者や設備設計者がBIMソフトが使えると,
これまで建築家が行っていたコーディネート業務が非常に楽になるので,
協働する相手としては魅力的だ,ということもあるかと思います.

もう少し環境がこなれてきたら,
いずれ身に着けなくてはいけない技術なのかなあ,という気がしています.


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20年前の世界までは,図面は手で描かれていました.
修正するのも容易ではなく,
一つの図面を起こす前に(図面というのは「起こす」ものなのです)見落としがなるべくないように沢山考えて,
或いは一つ一つ描きながら考えて,
図面にしていったのだろうと想像します.
実際,展覧会などでみる昔の手描きの図面は,迫力のようなものがあります.

それがこうやって,考える前に取敢えず入力して,
そこから修正していく,というやり方になると,
多分,設計自体の本質も変わってくるのでしょう.
作業の殆どはデータ入力になって,
そこに愛情のようなものを込めるのがどんどん難しくなってきます.

例えばこちらではドラフトマンが図面を描きます.
それは,設計した人とは違う人が描くということなので,
どうしても,気合というか情熱のようなものは,図面に籠り難くなる気がします.
そういう状況がもっと進むということ.


また,構造設計という意味では,
ある程度きちっと固まったものに対してコンセプトを考えたい,ということはあって,
建築上の「単純な」変更が,コンセプトを全く別のものにしてしまうということはある訳です.
そういう,肝を据えてきっちりと幹を作る,というようなことが
蔑ろにされやすくなっていくんではないか,という危惧もあります.
道具は進んでも,人間の考えるスピードはそんなに急激に速くなったりはしなくて,
結局考える深度が浅くなっていくことに置き換えられてしまうんではないだろうか,というような.


でも,それは今あるものが失われるかもしれない,という面ですが,
やったことがない今の段階では見えない何かが,できるようになるのかもしれない.
何れにせよ避けられない潮流になってきているようです.
シミュレーションがしやすくなるということが齎す変化.
実際に3Dソフトが広まって,作られる建築は変わってきました.
さらに,BIMを使うようになると,どんな変化があるのでしょう.

道具に過ぎないけれど,でも道具が連れて行ってくれる世界もあるかもしれない.


引き続き,ドイツのプロジェクトに携わっています.

今年に入ってから,大きめの提出が2つありました.
その内の一つは,計算書の提出.
スイスでは計算書が不要なので,久しぶりの計算書の作成です.
多分,ドイツの事務所ですと,そもそものフォーマットが色々あるのでしょうが,
こちらの同僚は大抵計算書を作ったことがなかったりする位なので,
一つ一つ手作りになります.

現在の所,トータル約1000ページ.当然ドイツ語です.
それ程大きな規模の建物でもないのですが,一つ一つ書こうとすると,なかなかの手間,です.
一方で,計算書を作る,というのは,他者の目を意識する,ということでもあるので,
自分の間違いに気が付けたりもします.
日本とは違って,かなりしっかりと別のエンジニア(Prüfingenieureといいます)がチェックするので,作る意味もあるというものです.

一つ難点を挙げるとすれば,
スイスの事務所では計算書作成がどのような手間なのかを十分に把握していないので,
ドキュメント作成に時間をかけていると,嫌な顔をされる,ということです.
計算が終わっていても,書類を作成する,しかも他者にわかるように書類を作成する,
というのは,それなりに大変なものなのですが.

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