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先日,自由な形態に関するシンポジウムに参加して思ったことのメモ.

結局,複雑な形態を作るには
 どのように形状(モデル)を作るか
 どのように実現するか
がポイントとなっており,
現状では,どのように実現するか,が大きなネックになっているため,
その制約条件を形態の方に反映させるしかない,といった印象.

その意味では,ロボティクスなど,「どのように実現するか」に風穴を開ける研究は
この分野のキーとなり得るだろうなということ.
但し,現状のロボティクスは,あまりにもシンプルなので,先は長そう.


どのように形状を作るか,については,
現状では小さな規模のものやファサード程度にしか応用されていないため,
構造など大きな論理は問題にならず,
寧ろ,製作方法だけが制約条件になっている状態.
その条件以外は自由であるため,
例えば折り紙などの別の形態論理を理由なく持ち込んで,
楽しいね,と言っている感じ.
(理由がなくても,その形態が「折り紙由来だ」ということが一つの物語となって,
 空間の面白みになり得るというのは,なんとなく歯痒い感じのするところ.)



実際の,リアルな建築の場では,
形態をただ作るだけではなくて,
詳細の詰めまでの根気の要る繰り返し作業が待っている.
そんなところまでは,まだまだ遠い,といった印象.





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オリンピック前のロンドンに行ってきました.
一番の目的は,Herzog & de Meuron による Serpentine Gallery です.

実はサーペンタインを見るのは今回が初めてだったのですが,かなりオープンなパビリオンで,
子供を含め人に愛されているなあという印象でした.
今回は鉄板屋根ですが,接合には片側溶接を用いており,
溶接時の変形を事前に十全に考慮できていなかったため,結構変形してしまったそう.
屋根の上に水を張るデザインなので,屋根の水平が出ないのは問題で,
エッジに水をこぼさないための部材が付け加えられていました.
しかし,案外気にならないもので,そんなにきちきちとやらなくてもいいのかもなあ,などと思わされたり.


隣でやっていたYoko Ono展もかなりよかったですし,
Tate Modernでやっていた Damien Hirst展はかなりのインパクトでした.
オープンしたての Tate Tank では,
Anne Teresa De Keersmaeker ご本人による Steve Reich Piano Phase を観ることができました.
こちらも秀逸.

勿論オリンピックに向けて,ロンドン自体も気合いを入れて準備している時期だったことはあるでしょうが,
流石のロンドンだなあと感嘆しきり.


パリやNYも都会ですが,ロンドンもかなり都会.
そして,それぞれの印象はまるで違う.
ロンドンは,あまりスピードは速くない,どこか男性的な都会.
ディテールを顕わにした鉄骨造の建物が多く見られる所為かもしれません.
レンゾピアノのヨーロッパ一の高層ビル,The Shardも出来上がっていて,
産業革命の国だなあ,などと.












もうひとつ,年明けごろに見た建築.
SANAAの集合住宅.
鉄骨ラーメン造の透明な建築です.
構造システム上は単純なものですが,
このシンプルさを達成するには,細部まで拘る根気が必要だったろうと思います.
目が慣れてくるということもありますが,
過激すぎず,ちょうどよいプロポーションの建築だなあ,と感動しました.




年明けくらいのことですが,武蔵野美術大学の図書館を観に行ってきました.

IMG_0230_r.jpg





















冬休み期間中だったので中に入れなかったのは残念でしたが,
わくわくさせる面白い建築でした.
構造的には,本棚と本棚の間に鉄骨が仕込まれています.
半透明な天井から注ぐ淡い光が,図書館に静謐な印象を与えていました.

今度は中にも入ってみたいものです.


バーゼルの東の方にある,Schwarzparkへお散歩に.
この公園の一角には,建築家 Miller & Maranta による集合住宅が建っています.

公園の中のこの集合住宅には
小さな子供のいる家族が多いようでした.
MillerMaranta_Schwarzpark1.JPG























この建物の特徴は,まずその色です.
グレーがかったブラウンのような色.
この建物は鉄筋コンクリート造ですが,この色はコンクリートの上にペイントされたものではなく
コンクリートそのものに,カラーの混ぜものをして現われている色です.
スイスでは,コンクリートに混ぜものをするのは割と普通にやられていることで,
Schaulager Museum の特徴的な壁もそうですし,
矢鱈白いコンクリートの建物がよく見られるのも,白いセメントを混ぜているからです.


もう一つ大きな特徴は,そのグリッド.
平面的には開いたZの形をしていますが,
立面上のグリッドが明快なリズムを生み出していて,気持のよい建築になっています.

さらに最下層レベルの住宅のレベルが,地面よりも幾分持ち上げられています.
その部分は端部では片持ちになっていて,浮いたように見せていて,
パブリックな公園との関係が絶妙です.

IMG_0707.JPG























ファサードのコンクリートは,プレキャストと現場打ちの組み合わせでできているそうです.
セパレータ跡は同じ色のモルタルで埋められていて,
色の効果も相まって,一瞬,金属板でできているのかと錯覚してしまいます.
こうしてみると,自分にとってのコンクリートのテクスチュアというのは,
あのグレーの色と,セパレータの跡のリズムと,型枠の跡,がキーになっているのだなと気がつかされます.
だからこそ,安藤忠雄は,コンクリートの配合と特注の型枠と決まったセパレータの位置に拘るのかなとか.


各住戸につけられた日よけも,コンクリートと同じ色に揃えられています.
個人的には,もう少し明るい色でもよかったかなあとは思いました.




 

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